- 著者
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唐沢 好男
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.114, no.396, pp.57-62, 2015-01-15
MIMOシステムの伝送特性評価(通信路容量やBER特性)には、通信路行列(A)の相関行列(A^HA、AA^H)の固有値分布を把握することが重要である。次世代ワイヤレスシステムでは、大規模アレーによるMIMOシステム(Massive MIMO)に期待が高まっているが、Massive MIMOでは、相関行列のサイズが大規模になる。そのような大規模ランダム行列の漸近固有値分布は、マルチェンコ・パスツール則に従う。本稿では、漸近固有値分布とそこから導き出される漸近通信路容量に対し、限定されたMIMO(それほど大規模でないMIMO)の特性評価に、漸近固有値分布の理論がどこまで通用するかを明らかにする。