- 著者
-
櫻井 準也
- 出版者
- 尚美学園大学
- 雑誌
- 尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, pp.97-104, 2015-09-30
映画やアニメなどのポピュラー・カルチャー(大衆文化)には古くから考古学者が登場する作品は多いが、彼らは大学教授や冒険家である。これに対し、わが国では1990年代後半より漫画作品の中で遺跡調査の調査員や作業員が主人公として描かれるようになった。その背景に、バブル景気の影響で緊急発掘調査件数が増え、わが国で発掘調査が身近な存在となったことがあると考えられる。これらの漫画作品は発掘作業員の視点から発掘調査が描かれたものであり、従来の考古学では記録されないわが国の発掘調査の実態を知ることができる貴重な資料として捉えることができる。