著者
谷口 美穗
出版者
独立行政法人国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.12, pp.7-23, 2016-03

本研究では、予備教育課程で学ぶマレーシア人日本語学習者100名に、漢字学習ストラテジーに関する質問紙調査を入学後4ヶ月と1年の2回実施し、学習期間が長くなることによるストラテジーの使用状況の変化と成績上位者の使用するストラテジーの特徴について分析した。その結果、1)学習期間が長くなるにつれて、漢字の知識を整理するためのストラテジーの使用頻度が高くなるが、その傾向が成績上位群において強いこと、2)学習期間が長くなるにつれて、「覚えるまで何度も書く」というストラテジーの使用頻度が下がり、その他の記憶ストラテジーや補償ストラテジーの使用頻度が上がること、3)成績上位群は「できるだけ漢字を使用する」というストラテジーを継続的に高頻度で使用していることが明らかになった。また、授業で扱われる漢字を整理するための知識が、学習者の漢字学習ストラテジーの選択に影響を与えている可能性が示唆された。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト