著者
高橋 久光
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.179-188, 2016-03-15

化学肥料や農薬を多投し,農業機械を駆使した近代化農業は飛躍的な生産性の向上とともに食料の増産をもたらしてきたが,その反面では地下水の汚染,塩類の集積,生態系の喪失等の環境負荷を招くこととなった。このため,有機物を代替投入する低投入・持続型農業への関心が世界的に高まっており,中でも有機農業は持続可能な農業の一つの形態として注目されている。我が国において,農薬の危険性が認識され始めた1970年代初めから,有機農業が脚光を浴びるようになり,現在では,アレルギー体質者の増加や,O-157,ダイオキシン,さらにはBSE等,食の安全性への不安増大を背景に有機農産物の需要が拡大している。ここでは,色々な有機質肥料と化学肥料とを比較し,それらが野菜の生育および品質に及ぼす影響,並びに土壌の理化学性について調査・実験し,有機質肥料が化学肥料の代替になるかを検討した。

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