著者
高橋 久光 セナン キャロル ハフフェイカ レイ C
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.22-27, 1993

培養液中の異なるZn濃度および遮光がトマトの生育, 窒素含有量および硝酸還元酵素の活性に及ぼす影響について検討した.Znの欠乏は, 草丈の伸長を抑制した.<BR>葉部の全窒素含有量はZn欠乏区, 微量区および標準区でほとんど差異が認められず, その傾向は茎部, 根部においても同様であった.しかし, 葉部の全窒素含有量に占める水溶性窒素含有量は, Zn.欠乏区で高かった.<BR>葉部の硝酸還元酵素の活性は, 標準区で高く, Zn微量および欠乏区で低かった.その傾向は茎部および根部でも同様であった.なお, 根部の硝酸還元酵素の活性は, 葉部や茎部と比較して, 低かった.<BR>Zn欠乏作物の遮光実験下での植物体各部位の生体重および乾物重は, 各生育期間とも無遮光区で最も大きい値を示した.<BR>Zn欠乏作物の遮光実験下での葉部の硝酸還元酵素の活性は, 遮光によって低下し, 無遮光区で最も高く, 70%遮光区で最も低かった.根部の硝酸還元酵素の活性は, 4月12日と4月19日には無遮光区で高かったが, 他の部位と比較して, 全処理区ともその活性は低かった.
著者
足達 太郎 鳥海 航 大川原 亜耶 高橋 久光
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.259-263, 2008-12-10
被引用文献数
1

キャベツ畑に,ハーブ類のカモミール(カミツレ)およびキンレンカ(ノウゼンハレン)をそれぞれ混作した区と,キャベツを単作して化学合成殺虫剤を施用した区および施用しない区をもうけ,キャベツの主要害虫であるダイコンアブラムシ・モンシロチョウ・コナガの個体数変動と捕食寄生性天敵による寄生率を比較した。試験の結果,各害虫ともそれぞれの個体数がほぼピークとなる時期に,処理区間で個体群密度に有意な差がみられた。ダイコンアブラムシは,カモミール混作区における個体群密度がキンレンカ混作区やキャベツ単作/殺虫剤無施用区または施用区よりも高かった。モンシロチョウの幼虫個体数は,キャベツ単作/殺虫剤無施用区>キンレンカ混作区>カモミール混作区>キャベツ単作/殺虫剤施用区の順に多かった。また,モンシロチョウの卵数は,両ハーブの混作区における値がキャベツ単作区(殺虫剤施用および無施用)における値よりも多かった。コナガは,キャベツ単作/殺虫剤施用区およびカモミール混作区で幼虫の個体数が多かった。いっぽう,モンシロチョウの幼虫におけるアオムシコマユバチの寄生率は,キャベツの生育中期において,キンレンカ混作区およびキャベツ単作/殺虫剤無施用区で最も高かった。これに対し,コナガ幼虫におけるコナガコマユバチの寄生率は,処理区間で有意な差は認められなかった。
著者
高橋 久光
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.179-188, 2016-03-15

化学肥料や農薬を多投し,農業機械を駆使した近代化農業は飛躍的な生産性の向上とともに食料の増産をもたらしてきたが,その反面では地下水の汚染,塩類の集積,生態系の喪失等の環境負荷を招くこととなった。このため,有機物を代替投入する低投入・持続型農業への関心が世界的に高まっており,中でも有機農業は持続可能な農業の一つの形態として注目されている。我が国において,農薬の危険性が認識され始めた1970年代初めから,有機農業が脚光を浴びるようになり,現在では,アレルギー体質者の増加や,O-157,ダイオキシン,さらにはBSE等,食の安全性への不安増大を背景に有機農産物の需要が拡大している。ここでは,色々な有機質肥料と化学肥料とを比較し,それらが野菜の生育および品質に及ぼす影響,並びに土壌の理化学性について調査・実験し,有機質肥料が化学肥料の代替になるかを検討した。
著者
高橋 久光 セナン キャロル ハフフェイカ レイ C
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.22-27, 1993-03-01

培養液中の異なるZn濃度および遮光がトマトの生育, 窒素含有量および硝酸還元酵素の活性に及ぼす影響について検討した.Znの欠乏は, 草丈の伸長を抑制した.葉部の全窒素含有量はZn欠乏区, 微量区および標準区でほとんど差異が認められず, その傾向は茎部, 根部においても同様であった.しかし, 葉部の全窒素含有量に占める水溶性窒素含有量は, Zn欠乏区で高かった.葉部の硝酸還元酵素の活性は, 標準区で高く, Zn微量および欠乏区で低かった.その傾向は茎部および根部でも同様であった.なお, 根部の硝酸還元酵素の活性は, 葉部や茎部と比較して, 低かった.Zn欠乏作物の遮光実験下での植物体各部位の生体重および乾物重は, 各生育期間とも無遮光区で最も大きい値を示した.Zn欠乏作物の遮光実験下での葉部の硝酸還元酵素の活性は, 遮光によって低下し, 無遮光区で最も高く, 70%遮光区で最も低かった.根部の硝酸還元酵素の活性は, 4月12日と4月19日には無遮光区で高かったが, 他の部位と比較して, 全処理区ともその活性は低かった.
著者
足達 太郎 鳥海 航 大川原 亜耶 高橋 久光
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.259-263, 2008-12 (Released:2011-07-26)

キャベツ畑に、ハーブ類のカモミール(カミツレ)およびキンレンカ(ノウゼンハレン)をそれぞれ混作した区と、キャベツを単作して化学合成殺虫剤を施用した区および施用しない区をもうけ、キャベツの主要害虫であるダイコンアブラムシ・モンシロチョウ・コナガの個体数変動と捕食寄生性天敵による寄生率を比較した。試験の結果、各害虫ともそれぞれの個体数がほぼピークとなる時期に、処理区間で個体群密度に有意な差がみられた。ダイコンアブラムシは、カモミール混作区における個体群密度がキンレンカ混作区やキャベツ単作/殺虫剤無施用区または施用区よりも高かった。モンシロチョウの幼虫個体数は、キャベツ単作/殺虫剤無施用区>キンレンカ混作区>カモミール混作区>キャベツ単作/殺虫剤施用区の順に多かった。また、モンシロチョウの卵数は、両ハーブの混作区における値がキャベツ単作区(殺虫剤施用および無施用)における値よりも多かった。コナガは、キャベツ単作/殺虫剤施用区およびカモミール混作区で幼虫の個体数が多かった。いっぽう、モンシロチョウの幼虫におけるアオムシコマユバチの寄生率は、キャベツの生育中期において、キンレンカ混作区およびキャベツ単作/殺虫剤無施用区で最も高かった。これに対し、コナガ幼虫におけるコナガコマユバチの寄生率は、処理区間で有意な差は認められなかった。