著者
高橋 玲
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学経済論集 (ISSN:13451448)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.57-79, 2016-10

ある地域社会の成員には「場の正統性」が共有されており,彼らの行為選択の形式は相同性をもつが,同時にそこには,「偏倚的」な実践も現れる。本稿では,P. ブルデューの「ハビトゥス」と「実践」を軸に据えた経済人類学の見地から,近代的市場システムに巻き込まれつつある地域社会の様相を考察する。また,そこでは,R. ファース,J.A. シュムペーター,C. ギアツの視座が重要な貢献をなしている。偏倚的実践を生成するために利用可能な文化資本と,それを蓄積し利用できる力能を備えた主体,そして彼の実践とその「場」に現れる他者の諸実践との相互作用による「場の正統性」の変革という点で,社会環境の変化に順化しようとする個人のさまを見る。

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