- 著者
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西澤 直子
- 出版者
- 慶應義塾福澤研究センター
- 雑誌
- 近代日本研究 (ISSN:09114181)
- 巻号頁・発行日
- no.20, pp.149-174, 2003
評価は分かれるにせよ、日本の近代化に福沢諭吉がひとつの役割を果たしたことは確かである。ゆえに福沢は現在まで、国内外を問わず数多くの研究者によって論じられてきた。しかし近年、福沢研究が抱える史料的な問題点が明らかになった。本稿では現在の福沢研究が抱える史料的課題と、解決するための一策として書簡史料の利用について論じ、一例として福沢の女性論に対し、書簡史料を利用することによって新たにどのような議論が展開できるのかを報告する。