著者
又平 恵美子
出版者
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科日本語学研究室
雑誌
筑波日本語研究 (ISSN:13424793)
巻号頁・発行日
no.6, pp.93-102, 2001-08-31

日本語母語話者の会話で「イチゴが売っている」というような表現が使われることがある。商品が「ガ」で示されるのは、単なる言い誤りによる格の誤用として処理してしまうには出現の頻度が高く、一つの定型構文として成立してしまっているものであると考えられる。動作主でなく対象が「ガ」によって表示されていること、必ず「売っている」などテイル形で現れるということ、商品の所有権が移動しないという状況に限定されているということがその構文が成立可能となる特徴としてあげられる。このような表現が存在し得る理由は、「商品として物が存在している」ということだけを表現するためには、冗長的でない規範的な言い方では言い表しにくいということが考えられる。

言及状況

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@AkibaDailyNewsM https://t.co/GgJgoKGqZ7 「売っている」は「ある」と似たような使い方をされる場合が多いようです
@niina_noriko この辺の話ですね。 https://t.co/0QVGChQ5v4 https://t.co/ibOCBVDGnk https://t.co/rtA1tMaDdc
@asaokitan http://t.co/gbrkvc3qsa これとか http://t.co/joRZkbjBFG これのことです。
>RT こういうのか。論文がいくつかある。「疑似自動詞の派生について--「イチゴが売っている」という表現」 http://t.co/pAEgEyVrUk 「「イチゴが売っている」という表現」 http://t.co/joRZkbjBFG
CiNii 論文 -  「イチゴが売っている」という表現 - http://ci.nii.ac.jp/naid/120000837541 「単なる言い誤りによる格の誤用として処理してしまうには出現の頻度が高く」「冗長的でない規範的な言い方では言い表しにくい」そういう見方があるのか

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