著者
前田 理
出版者
長崎大学風土病研究所
雑誌
長崎大学風土病紀要 (ISSN:00413267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.67-72, 1960-03

センチニクバエの大量増殖ならびに殺虫試験を進めるのに必要なこの虫の生態をよりはつきりさせるために,幼虫期間の密度が発育におよぼす影響,成虫の生存期間ならびに産仔数などについて調べた.魚粉10,ふすま10,エビオス3の混合物100gに水を200cc加えて,その中へ産まれたばかりの初令幼虫を10,20,50,100,200匹ずつ入れて,幼虫,蛹期の長さ,死亡率,蛹の大きさなどについて調べた. 10から100の飼育密度の範囲では,幼虫期の長さ,蛹の大きさには大差はないが, 200匹になると幼虫期間が長くなり,蛹の大きさが小さくなつた.しかしこのような飼育密度の範囲内では死亡率には大きな影響はみられなかつた.また飼育密度が高くなるにつれて,蛹化曲線および羽化曲線に2つの山ができる傾向がみとめられた.次に同じ日に羽化した雌雄50匹ずつの成虫を,30cm立方のサラン網籠に5つに分けて入れ,蝿成虫用配合飼料とミルクをあたえて,毎日の死虫数と産仔数を調べた.その結果約6日間の産仔前期間があり,その後6日の週期をもつて産仔数に大きな山ができる.成虫の生存期間は平均約1ヶ月で,雌雄の間に有意な差はみられなかつた.In Japan, Sarcophaga peregrina is one of the most important species of the flies breeding out in the privy of the usual dipping-out-night-soil type, where the maggots are unavoidably to be controlled by insecticides because of the difficulty of converting

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こんな論文どうですか? 生物試験のためのセンチニクバエの生態について(前田 理ほか),1960 http://id.CiNii.jp/Dz6IM

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