- 著者
-
Yoshimura Mitsugu
吉村 貢
- 出版者
- 三重大学農学部
- 雑誌
- 三重大學農學部學術報告 = The bulletin of the Faculty of Agriculture, Mie University (ISSN:04624408)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.47-64, 1984-03
The energy crisis is reviewed by paying attention to forest biomass in the world and in Japan as an energy resource. According to one of the recommendations made at the Nairobi Conference on energy, mechanization system of afforestation, which is presently being pursuied in South Sumatra by the Japanese-Indonesia cooperation, is described. Wood residues in Japan are surveyed and not much used as for energy. A typical example of very local power generation utilizing saw-dust, is given. New solid and liquid composit fuels are introduced and a CCOM is explained by an example. Special charcoal is also shown for comparison with the Asian black charcoal.二度にわたるオイルショックを経て,1978年12月の第33回国連総会において決定された「新・再生可能エネルギーの開発・利用の促進」に関する国連会議が1981年8月ケニア国ナイロビ市において,125ケ国(加盟国154)の代表4000名の参加を得て開催され,この問題に対して国際社会が取るべき方策の基本的枠組を策定し,ナイロビ行動計画を採択した。それによると,化石エネルギー以外の新・再生可能エネルギーとして,薪材,木炭,バイオマス変換,太陽,地熱,水力,風力,潮力,波力等14種類のエネルギー源を対象に各エネルギー毎の個別措置の行動計画が決められている。この行動計画にもり込まれた木質系エネルギーに関する個別措置のうち,優先行動分野として開発途上国の農山村地域の農業生産,農村工業,家庭エネルギーを確保するため,(1)早期成長樹種の選択 (2)低コスト・効率的燃焼器具の開発(3)木炭製造方法の改善 (4)薪材不足地域での薪材用の植林の促進の緊要課題が採択されている。このような国際情勢を背景に経済大国日本の開発途上国援助の一環として,研究開発と普及,技術移転を目的とした日本-インドネシア両国間のグリーンエネルギーセミナーが1982年9月ジャワ島のボゴール農科大学を拠点にして開かれ,川村登教授(京大・農)を団長とする6名が日本学術振興会の援助によって派遣され,開会式に引続き,夫夫の発表と討議を行なった。この論文はこのセミナーにおける林業部門全般を担当した私の報告の全文である。