- 著者
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古市 久子
加藤 美恵
- 出版者
- 大阪教育大学幼児教育学研究室
- 雑誌
- エデュケア
- 巻号頁・発行日
- vol.25, pp.15-30, 2005-03-31
本研究では、家庭教育について、幼稚園児をもつ親206名から得たデータをもとに、アンケート調査を実施した結果を報告している。「親の意識の変化」に焦点を当てて、家庭で重要と思われることと、実際に実行している程度の差を調べることで家庭の教育力の低下を考えた。その結果1 【子どもの反社会的行動への規制】【対人的なやりとり】【親子の触れ合いに関するもの】については教育する力が強く、【大人の時間的余裕を必要とするもの】【子どもの行動を規制するもの】に関しては教育する力が低いことがわかった。###本調査において、近年の親は自分の養育者から受けた育児をそのまま実践しているのではなく、影響を受けながらも自分流の子育てをしている、ということがわかった。そして、その内容については「好きな所・良かったと思う所」を取り入れている割合は非常に高く、「嫌いな所」を自然と行っている割合は意見を二分した。###これらを教育する力の低下の是非を問う判断材料とする時、少なくとも親の意識は「低下していない」という認識を持っていると考えられるであろう。やはり、家庭の教育力の低下の原点は「力不足」ではなく「意識の変化」にあると言える。