- 著者
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五十嵐 哲也
- 出版者
- 愛知教育大学実践総合センター
- 雑誌
- 愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
- 巻号頁・発行日
- no.13, pp.211-216, 2010-02
本研究は,小学生における不登校傾向を測定する尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。289名の小学生に対する調査の結果,小学生の不登校傾向は「休養を望む不登校傾向」「遊びを望む不登校傾向」の2因子構造であることが明らかとなった。また,信頼性,妥当性はともに満足できるものであり,本尺度の有用性が実証された。さらに性差を検討した結果,「休養を望む不登校傾向」で女子の得点が高いことが認められた。本研究の結果を見ると,小学生の段階では中学生よりも「学校に行きたくない」と感じる気持ちが複雑化しておらず,より単純化した構造であることが示されたと言える。このことは,中学生において急激に増大する不登校の予防のために,その心的状況がより複雑化する前の小学生の段階から援助を実施することの必要性を示唆していると考えられる。