- 著者
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本多 昇
岡崎 光良
- 出版者
- 岡山大学農学部
- 雑誌
- 岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.1, pp.57-60, 1959
(1)本実験では overlimingによるクリの生育抑制が燐の吸収減退に由来するや否やについて実証した.花崗岩風化土壌18KgとN.P.Kおのおの1g宛を入れたワグネルポットを用い,St区(標準区)とCa区(消石灰18.9gを混入)との外に,St-P区,Ca-P区などの無燐酸区, Ca区に対し2倍量又は3倍量の燐酸を施与したCa+2P区,Ca+3P区などの6区を設けた. 1ポット当り2本宛のクリの実生を5月14日から10月17日の間栽培した後掘上げて調査した. (2)クリはoverliming又は燐酸無施与による燐吸収減退によつて生育を制限されない.クリの燐要求度は小であり(標準区の風乾葉中P含量は0.106%),葉中のP含量が0.062%となつても(St-P区及びCa-P区)燐欠乏症状が見られない。