著者
川口 恭弘 カワグチ ヤスヒロ Kawaguchi Yasuhiro
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.255-285, 2009-07-31

Article金融商品取引法の課徴金制度は、証券市場の公正性・透明性を確保するため、平成16年の法改正で導入された。その後、課徴金制度の適用範囲が拡大され、また、その金額も増額されている。刑事罰は謙抑的な運用が求められる。また、集団訴訟制度が存在しないわが国では、個人投資家が損害賠償請求をすることは事実上難しい。このような状況のもと、課徴金制度は、金融商品取引法のエンフォースメントを強化する重要な手法となっている。本稿は、金融商品取引法上の課徴金制度について、その創設から現在に至るまでの改正を検討し、今後の課題を探るものである。

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