著者
安田 真紀子
出版者
奈良大学史学会
雑誌
奈良史学 (ISSN:02894874)
巻号頁・発行日
no.23, pp.33-56, 2005

近年、街道や旅に対する関心の高まりもあって、交通史も多岐の分野にわたって研究が進められている。中でも、旅のルート・観光コースに関する研究は、歴史学のみならず、地理学や観光学の見地からも注目されてきている。奈良・三重問においても、伊勢街道を中心に実地調査や参宮ルートの研究が行われ、その成果も報告されている。その一方で、開発や荒廃等により街道のルートや存在も曖昧になってきつつある。また、同一の街道であっても地方によって呼称が異なっており、研究者や自治体等によって、各街道にさまざまな名称が付けられた結果、混同を招き、街道自体の姿をより複雑なものにしている。そこで、本稿では、今一度、江戸時代の大和における伊勢街道の整理を行い、道中案内記類から、大和と伊勢を結ぶ参宮ルートの変遷や、参宮と大和巡りとの関係について事実を確定し、考察したい。とくに、伊勢参宮に古くから利用されていた「伊勢本街道」を中心に、現地調査も踏まえて考察を加え、その歴史的な位置付けを明らかにしていきたい。

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これを読んでみたら https://ci.nii.ac.jp/naid/120002677207

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