- 著者
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湯川 隆子
清水 裕士
廣岡 秀一
- 出版者
- 奈良大学
- 雑誌
- 奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
- 巻号頁・発行日
- no.36, pp.131-150, 2008-03
本研究の目的は、大学生におけるジェンダー特性語の認知がここ20年でどのように変わったかを検討することである。1970年代と1990年代に男女各1000人の大学生を対象に、50語のジェンダー特性語について同一の分類テストと連想テストを実施した。主な結果は以下のようであった。(1)男性あるいは女性の典型的ジェンダー特性語として分類された特性語の数は、1970年代より1990年代のほうが少なくなっていた。(2)ジェンダー特性語に対する連想反応語は、1970年代でのほうが1990年代よりも典型的なステレオタイプを表すと見られる内容が多かった。(3)近年の日本の大学生においては、ジェンダー特性語に対し、ジェンダー・ステレオタイプに沿って反応する傾向が減少してきている。