- 著者
-
曹 大峰
- 出版者
- お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
- 雑誌
- 言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
- 巻号頁・発行日
- no.35, pp.1-9, 2008-07
海外の日本語教育では、教科書の役割が大きい。中国でも明(1368年)の時代から日本語教育が始まり、教科書の作成が時代とともに発展してきたが、20世紀70年代以来、中日国交正常化により日本語の学習が特に盛んになり、教材作成は主に素材補強→素材改善→素材統合の方向で進んできた。現在、さらに教材研究を通して言語学・外国語教育学・教育工学など広く学際的な成果を盛り込んだ新しい日本語教材の開発が進んでいる。本稿では筆者所属の北京日本学研究センターで実施された「中国の日本語教育における主幹科目"総合日本語(精読)"に関する総合研究」と「中国の日本語教育のための新しい教材像に関する研究」の成果を踏まえて、教育部「十一五」教材出版計画で実施中の新教材編纂のための総合シラバス研究を事例に、中国における大学専攻用日本語教科書作成の現状と課題を論述する。