著者
樋口 耕一 Higuchi Koichi ヒグチ コウイチ
出版者
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
no.24, pp.193-214, 2003

社会調査によって得られる質的データには新聞・雑誌記事、質問紙調査における自由記述、インタビュー・データなど様々なものがある。コンピュータ・コーディングとは、それらの質的データを計量的に、また多くの場合は探索的に分析するための手法である。本稿の目的は、独自に開発されたソフトウェア「KH CODER」を用いてコンピュータ・コーディングを実践するための手順を詳細に記述し、これを通じて方法論とプログラムを紹介・提案することにある。本稿の記述は、各自のパソコン上で手順を追うことができるチュートリアルとなっており、題材として用いるデータは夏目漱石「こころ」である。チュートリアルの中では、作品全体を通して頻繁に出現している言葉や、上・中・下それぞれの部で特徴的な言葉から、作品の構成・特徴を探る。また、人の死やその原因となりうる事柄を表す言葉が、作品全体のどの部分で頻出しているのかという集計を行うことで、人の死が作品中でいかに描かれているかを探索する。この結果として、「先生」という登場人物の自殺が突然・不自然になされているという指摘は、必ずしも当てはまらないことが再確認された。

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CiNii 論文 -  コンピュータ・コーディングの実践 : 漱石「こころ」を用いたチュートリアル https://t.co/GwPuTDOpR5 #CiNii ちょっと古いけど、これ思い出した!KH Coderっていう無料のテキストマイニングソフトで、「こころ」の分析したら、「先生」は唐突に亡くなったわけではないってわかったやつ

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