著者
武田 尚子
出版者
武蔵社会学会
雑誌
武蔵社会学論集 : ソシオロジスト : Journal of the Musashi Sociological Society (ISSN:13446827)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.5, pp.49-66, 2003-03-22

市街地の落書きについて,近年,これまでにない対応がみられるようになった。例えば,県レベルで,落書きを禁止する条例が制定されるようになった。また,街路全体をカバーする防犯・監視カメラが設置されるようになった。本稿では,岡山県岡山市,栃木県大田原市,東京都新宿区の3つの事例を取りあげ,地域共同管理論の視点から,各事例の特徴を考察した。地域共同管理論で,管理の主体として着目されているのは町内会・自治会である。しかし,調査した事例では落書き問題に対して,行政や当該町内会・自治会の対応には限界があり,近接する地域の住民のネットワークや労働組合が地域共同管理に関与していた。このような当該町内会・自治会所属とは異なる人々が地域共同管理に参加することが地元のメディアの関心をよんだ。そして,地元メディアによって報道されたことが,結果的には落書きに対する抑止力につながっている。本稿では,落書きというリスクに対して,町内会・自治会以外にどのような人々がどのような過程を経て,共同管理の担い手として参加し,複合的な地域共同管理の態勢を構成しているかを明らかにした。

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