- 著者
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福田 正治
- 出版者
- [富山大学杉谷キャンパス一般教育]
- 雑誌
- 研究紀要 (ISSN:1882045X)
- 巻号頁・発行日
- no.36, pp.45-58, 2008-12
共感は感情の読心能力であり人間関係を円滑に築くための基本的能力である。感情は進化論的に階層構造を有しており、それに伴い共感は情動的共感と認知的共感に区分される。他者の感情認知には、自己の感情喚起に関与する神経系を兼用しており、情動的共感はこの神経系の働きによることが強い。一方、認知的共感はこれに加えて視点取得や心の理論の能力を伴い状況依存的である。これらの理論的背景を概説し、共感が大きく特性の異なる二つのプロセスから構成されていることを議論する。