- 著者
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洲見 光男
- 出版者
- 明治大学社会科学研究所
- 雑誌
- 明治大学社会科学研究所紀要 (ISSN:03895971)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.1, pp.159-172, 2007-10
任意捜査は、その呼び名から自由に許されるかのように思われがちであるが、程度および方法において「必要な」限度を超えることは許されない(197条1項。なお、198条)。他面、任意捜査は、相手方の承諾・協力を得て行う捜査であって、何ら個人の権利・利益を制約するものではないことを想像させるが、実は、それは「強制捜査ではない」ことを意味するにとどまり、個人の権利・利益を制約し得る場合があるとされているω。捜索・押収などによる強制捜査は、広い意味で、個人情報の収集活動と捉えることもできるが、これについては憲法および刑事訴訟法に規定が置かれており、手続・要件の「法定主義」(憲法31条、刑訴法197条1項但書)および「令状主義」(憲法35条、刑訴法218条等)による規制が加えられている。