著者
北場 勉
出版者
日本社会事業大学
雑誌
日本社会事業大学研究紀要 (ISSN:0916765X)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.5-29, 2012-03

本論文の目的は、1874年に制定された恤救規則の意義を検証することである。先行研究により成立過程は一応明らかにされているが、同規則それ自体の意義については様々な見解が存在している。本論文の特徴は、次のとおりである。一つ目は、資料として、主に、明治政府の行政書類であり、救済関連の行政文書が含まれている太政類典を用いたことである。二つ目は、明治初期を日本の国民国家の形成期の一部とみなしたことである。三つ目は、救済関連行政文書と何度も改組された救済担当行政機関との対応関係を分析したことである。その結果、恤救規則は、各地域を国家に統一する国民国家形成の過程において、政府による救済策のうち、個人救済に関する全国的規則として成立したものであることが明らかになった。

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