- 著者
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千葉 和夫
- 出版者
- 日本社会事業大学
- 雑誌
- 日本社会事業大学研究紀要 (ISSN:0916765X)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, pp.95-107, 2012-03
私はかねてより高齢者が住みなれた地方での生活を離れ、子どもたちとその家族が生活している都市部へ移住することによる心の不安や体調の悪化、新たな友人関係を構築することの困難さに着目していました。 そのような折に東日本大震災が発生しました。私は大学社会福祉学部教員であると同時に「福祉レクリエーションワーカー」でもある立場から、いかに行動を起こすか?を考えましたが、今の自分にできることは何かを優先すべきであると思慮し、先に述べたような観点から本研究ノートを執筆することとしました。 論考の主軸は、コミュニティ・サロン&エンカウンターグループ・リハビリテーション・TRS(セラピューティックレクリエーションサービス)・ジェネリックソーシャルワークに設定しました。こうした論点から、被災された高齢者の心の復興を再学習しようとしたからです。 本研究ノートの執筆により、私の教育者・研究者・実践者としての基本的スタンスが僅かではありますが鮮明化されたように感じています。そして多くの福祉レクリエーションワーカーらとともに、被災された高齢者やそのご家族の方々の心の復興に少しでもお役に立てることができれば幸いと思っています。