著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.83-96, 2013-03

紙書籍から電子書籍へのシフトが喧伝され,専用の電子書籍端末,スマートフォン等汎用端末向けの電子書籍リーダソフトウェアの普及が進んでいる。電子書籍周辺には多くの利害関係者が存在するが,著者側の立場から思料する場合,新たな表現の場として,販売経路を拡大する手段として,また従前は敷居が高かった出版行為を大衆へと解放するエコシステムとして,概ね好意的に受け止められている。しかし,既存出版社から紙書籍とともに電子書籍を出版する事例では,新たに締結を求められるデジタル化契約によってこうした利益を享受することができず,電子書籍のみを販売する事例では従前出版社が負ってきた管理・広告等の負担が著者に求められる可能性を指摘できる。この危惧について,実際に出版をすることで実証実験を行った。

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パラみしてみたけど勉強になりそう>>RT|日本国内の電子書籍出版にかかわる契約の実情とその問題点に関する考察http://t.co/Sg8jCzeNwL
意識が遅れている学術コラム系で,珍しく読み応えのある電子書籍論だった。電子書籍としてのビジュアルノベルから,出版社のマーケティング力,そしてKDP上での実証テストまで抑えていて,一読の価値あり。 / “CiNii 論文 -  日本…” http://t.co/QAtYjB2c2Z

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