著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.13-19, 2018-03

学生の活字離れが喧伝される中で,活字で組まれたテキストで学生に知識や技術を伝える試みが成立しにくくなりつつある。こうした学生の興味を維持するために,萌えを活用した教材の開発を行っている。ゲームやライトノベルとは異なる,教材というフォーマットの中で効率的に萌えを惹起するためには,萌えに対する深い理解が必要である。萌えとは何かについては大塚,東などの先行研究が明らかにしているが,具体的にどんな要素の組み合わせで萌えを誘発することができるかについては,議論がなかった。そこで本稿では,インターネット上でやり取りされているツイートを収集,解析することで,萌えと親和性の高い用語を抽出し,萌え要素の中に組み合わせて使用されやすいものがあるかを判定する研究を行った。
著者
岡嶋 裕史
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

自習から離脱してしまう主要因である飽きによるモチベーションの低下を、VRの没入感で補うことに成功した。筆者はこれまでにも、萌えキャラクタを用いた教育コンテンツを作ることによって、モチベーションの低い学習者を学習へ導くしくみを築いてきた。その知見にVRキャラクタと、VR特有の場を共有した教育方法を加えることで、さらに離脱率が低く、継続した学習が可能になることを実証した。アニメーションの弱点である制作コストの高さも、vTuberの技術を投入することである程度抑制できることが確かめられた。ただし、vTuberのコンテンツは事前に作り込んだコンテンツより見劣りするため、その向上が今後の課題である。
著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.83-96, 2013-03

紙書籍から電子書籍へのシフトが喧伝され,専用の電子書籍端末,スマートフォン等汎用端末向けの電子書籍リーダソフトウェアの普及が進んでいる。電子書籍周辺には多くの利害関係者が存在するが,著者側の立場から思料する場合,新たな表現の場として,販売経路を拡大する手段として,また従前は敷居が高かった出版行為を大衆へと解放するエコシステムとして,概ね好意的に受け止められている。しかし,既存出版社から紙書籍とともに電子書籍を出版する事例では,新たに締結を求められるデジタル化契約によってこうした利益を享受することができず,電子書籍のみを販売する事例では従前出版社が負ってきた管理・広告等の負担が著者に求められる可能性を指摘できる。この危惧について,実際に出版をすることで実証実験を行った。
著者
岡嶋 裕史 オカジマ ユウシ OKAJIMA Yushi
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.83-96, (Released:2013-08-05)

紙書籍から電子書籍へのシフトが喧伝され,専用の電子書籍端末,スマートフォン等汎用端末向けの電子書籍リーダソフトウェアの普及が進んでいる。電子書籍周辺には多くの利害関係者が存在するが,著者側の立場から思料する場合,新たな表現の場として,販売経路を拡大する手段として,また従前は敷居が高かった出版行為を大衆へと解放するエコシステムとして,概ね好意的に受け止められている。しかし,既存出版社から紙書籍とともに電子書籍を出版する事例では,新たに締結を求められるデジタル化契約によってこうした利益を享受することができず,電子書籍のみを販売する事例では従前出版社が負ってきた管理・広告等の負担が著者に求められる可能性を指摘できる。この危惧について,実際に出版をすることで実証実験を行った。
著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.49-68,

メダルゲームなどを嚆矢とする,ある共通プロトコルが適用される空間内の独自通貨は,発生時には玩具でしかなかった。しかし,近年はこれらの価値が増大し,その流通機構も複雑化の一途を辿っている。価値と複雑性を伴うシステムには,希望と可能性が生じる反面,悪用のリスクも不可避的に顕在化する。本論では,第1章,第2章において主にゲーム空間における仮想通貨の成立過程とRMTの現状をスクウェア・エニックスのファイナルファンタジー,リンデン・ラボのセカンドライフなどを例にとって俯瞰しつつ,第3章でリンデンドルに焦点を絞って,その普及の持つ意味,展望,脅威について考察する。
著者
岡嶋 裕史
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.152-155, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

インターネットが登場して,広報活動にどのようなインパクトが与えられたかを概観した。従来型のマスメディアと,インターネットを基盤とするメディアの違いを明らかにし,それぞれにおける最適な広報の有り様が異なることを指摘した。どうして性質の違うメディアが台頭したのか,社会構造の変遷に着目して解説を行い,その変遷の延長線上で何が起こったのかについても整理した。また,同一視されがちなインターネット上のメディアでも,WebとSNSではネットワークの構成もユーザの接触態度にも差違がある。この差違を広報活動にどう組み込むべきかを議論した。
著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.131-139, 2014-03

ゲーム業界におけるパッケージゲームからソーシャルゲームへの移行が進行し,ヒットタイトルの多くをソーシャルゲームが占める状況が出来している。このトレンドはPS4などのコンシューマ機の設計とエコシステムの構造にまで影響を及ぼしており,今後も同一傾向が続くことが予想される。一般的に,ソーシャルゲームへの移行は,ユーザがゲームを楽しむ際の短時間志向や無償志向,基本的なインフラとなったSNSとの親和性をひいて説明されるが,本当にソーシャルゲームは短時間かつ無償で楽しめるものなのだろうか。完全に無償であれば,ベンダは開発意欲や開発リソースを維持することはできず,短時間プレイに限局されるなら,広告費でそれをまかなうことすら困難になる。背反するベンダとユーザの要求は,何らかの要素によって調整や隠蔽がなされているはずである。本稿では課金によって短縮される時間の性質に着目し,この背理した状況への説明を試みた。