著者
笠井 昭次
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1-17, 2012-08

製品保証引当金につき, これまで, 負債性引当金説, 収益控除説, および前受金説を検討してきたが, 最後に, 収益費用観・資産負債観という二項対立によって, 諸処理方法を整理する松本[1993]の見解を検討することにしよう。 まず(1)および(2)において, 松本[1993]における収益費用観・資産負債観の定義的内容, および諸処理方法の収益費用観・資産負債観への帰属の論理を明らかにしよう。結論的には, その収益費用観と資産負債観とは, 主として, [費用─負債]というシェーマに準拠して, 費用が独立変数として負債を規定する収益費用観と, 負債が独立変数として費用を規定する資産負債観とが識別されている。 そこで, このような費用と負債との規定・被規定関係としての収益費用観・資産負債観を前提にして, 諸処理方法の収益費用観・資産負債観への帰属の論理の妥当性を(3)において, そして, 収益費用観・資産負債観という類別の枠組の妥当性を(4)で検討する。 ただし, 収益費用観・資産負債観という概念は, きわめて多様であり, 松本[1993]も, その例外ではない。そこで, 松本[1993]から明示的あるいは黙示的に区別できるみっつの収益費用観・資産負債観については, 次稿で取り上げることにする。論文

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