著者
濱田 美和 高畠 智美
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-8, 2013-09

本研究の最終目標は,日本語学習者同士で効果的に練習を行えるような漢字教材を開発することである。受講者の習得状況の開きが大きいため,複式で授業を行っている漢字クラスにおいて,学習者同士で練習を進めていくグループ練習の時間を設けている。本稿では,このグループ練習用のワークシート,カード教材に焦点を当て,実際の活動の中で,学習者が適切に使用できているかどうかを,グループ練習時の学習者同士のやり取りの音声データ等をもとに観察した。そして,教師の援助なしで学習者だけで円滑にグループ練習を進めるためには,より指示文を簡潔に提示すること,練習内容を平易にすること,学習者による例文等の作成は扱わないこと,例文の提示方法や解答の与え方を工夫すること,一度に使用するカードの種類や枚数を制限すること,ゲーム的要素の取り入れに注意を要すること,これらの改善が必要であることが分かった。

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