著者
濱田 美和 高畠 智美
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-8, 2013-09

本研究の最終目標は,日本語学習者同士で効果的に練習を行えるような漢字教材を開発することである。受講者の習得状況の開きが大きいため,複式で授業を行っている漢字クラスにおいて,学習者同士で練習を進めていくグループ練習の時間を設けている。本稿では,このグループ練習用のワークシート,カード教材に焦点を当て,実際の活動の中で,学習者が適切に使用できているかどうかを,グループ練習時の学習者同士のやり取りの音声データ等をもとに観察した。そして,教師の援助なしで学習者だけで円滑にグループ練習を進めるためには,より指示文を簡潔に提示すること,練習内容を平易にすること,学習者による例文等の作成は扱わないこと,例文の提示方法や解答の与え方を工夫すること,一度に使用するカードの種類や枚数を制限すること,ゲーム的要素の取り入れに注意を要すること,これらの改善が必要であることが分かった。
著者
濱田 美和 高畠 智美 市島 佑起子
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.5, pp.17-25, 2006-10

日本語教育において,漢字教育は重要である。漢字は語彙の習得とも関連するものであり,また, 日本で生活する留学生の多くは,至る所で漢字を目にするため,習得の必要性を強く感じている。一般に,集中日本語コースでは漢字の体系的な指導がなされているが,コ‐ス内で十分な時間が確保できない場合,文型や語彙の習得に重点を置いて指導がなされるため,漢字は学生が自ら学ぶしかない状況にある。これには,教室における短時間指導に適した漢字教材の不足も関連していると思われる。筆者らは,専門の学習等で多忙な留学生のために,新たに短時間学習型の初級漢字教科書『留学生のための毎日のKAN」I』を開発した。本教材の特徴として,教室における短時間での導入に適している点,また,学生が自学自習しやすい工夫を行った点が挙げられる。本教材による漢字指導を始めた結果,非漢字圏の学生だけでなく,漢字圏の学生からも一定の評価を得ることができた。
著者
鎌田 倫子 深川 美帆 村上 好江 小寺 弘子 要門 美規 高畠 智美
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.92-93, 2007

Due to the need for a solution to address curriculum design problems, a trial version of a Module Textbook for Japanese Beginners Level 2 has been developed. It has these characteristics: 1) Each lesson consists of a main conversation, grammatical explanations, a vocabulary list, exercises, and either a secondary conversation, a reading or a speech. 2) Each lesson is designed as a module, which makes it possible to select lessons and to change the order of lessons within the curriculum. 3) The software built into the attached CD changes the order of lessons automatically. It would solve course design problems in a small-scale Japanese Language program.