- 著者
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藤川 直也
- 出版者
- 熊本大学文学部言語学研究室
- 雑誌
- ありあけ : 熊本大学言語学論集 (ISSN:21861439)
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.79-112, 2013-03
拙稿における第一の目的は、1980年代以降理論的整備をみた韻律階層理論において想定される韻律階層のうち、下位の韻律単位であるモーラ・音節・フットに特に着目し、それぞれの韻律単位が日本語東京方言においてどのような役割を担っているかを明らかにすることにある。またそれと同時に、拙稿は日本語東京方言において実際に観察される種々の音韻的事実、及び韻律階層理論における Strict Layer Hypothesis (SLH) 等を参照しつつ、それぞれの韻律単位はそもそも日本語東京方言において存在を積極的に肯定すべきであるのかについて、先行研究への批判を交えながら検証を行う。