著者
出口 康夫 藤川 直也 大森 仁 大西 琢朗
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

分析アジア哲学の国際的な共同研究を推進した。具体的には2017年6月に「Dialetheism and Related Issues in Analytic Asian Philosophy」を開催し、アジア思想における「矛盾」の哲学的・論理学的意義に関する討議を行なった。同会議には Graham Priest, Jay Garfield, Mark Siderits, Ricki Bliss, Filippo Casati ら本研究プロジェクトの海外協力研究者が多数参加したのに加え、Wen-Fang Wang, Chih-chiang Hu, Chi-Yen Liu, Chun-Ping Yen (以上、台湾), Kanit Mitnunwong (タイ)といったアジアの研究者も参加した。その後は、この会議を踏まえ、英文論文集発刊のための研究・編集作業を進めた。発表を審査した上で、一定の基準を満たした発表者に対して原稿執筆依頼を行なう一方、外部の執筆者にも寄稿を依頼し、2017年12月から2018年3月にかけて提出された論文について、現在、査読作業を進めている。一方、Jay Garfield, Graham Priest, Robert Sharf ら海外研究協力者と進めている共著 What Can't Be Said の共同執筆の作業も進めた。具体的には2017年6月に四者による集中WSを開催し、その後も、各自が、適宜、メールやスカイプ等を駆使して議論を継続しつつ担当章の執筆を進めた。その結果、2017年年末までには、全章の原稿がほぼ完成し、その後、細部の調整を経て、2018年3月には原稿をOxfold University Press (New York)に送付し出版を依頼したところ、ただちに編集会議で認められ、現在、外部審査員による査読が行なわれている。
著者
平井 耕太郎 喜多 かおる 三賢 訓久 藤川 直也 北見 一夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.283-286, 2005-04

14歳.学校の健診で膿尿を指摘され受診した.1日15~20回程度の頻尿および1日に2~3個のパッド使用を要する尿失禁を自覚していた.排尿性尿路造影で骨盤内に6cm程度の円筒形と考えられる異物を認めた.問診では1年前にスプレー缶を自分で腟に挿入し,抜去しようとしたところキャップが腟内に残ったまま抜けてしまい,そのまま放置していたとのことであった.膀胱造影で膀胱後方への造影剤溢流を認め,膀胱腟瘻が示唆された.用手的に異物の除去を試みたが不可能であったため,全身麻酔下に腟内異物除去および経腟的膀胱腟瘻閉鎖術を施行した.腟内を膀胱鏡で観察すると腟口から約2cmのところに異物が認められ,非観血的に摘出できた.膀胱腟瘻は閉鎖術後3ヵ月で再発したため経腹的閉鎖術を施行し,以後再発はないA 14-year-old girl was referred to our hospital with severe pyuria pointed out in a school health check up. An intravenous pyelography and a cystography revealed a foreign body in the pelvic region outside the bladder and pooling of contrast medium in the vagina. Conputed tomography confirmed the foreign body in the vagina. About 1 year earlier, she inserted a hair spray can into the vagina but could not remove its cap. Under the diagnosis of vesicovaginal fistula due to vaginal foreign body, the cap was removed manually and transvaginal repair of the vesicovaginal fistula was performed under general anesthtesia, but it recurred twice. Finally, she underwent successful abdominovaginal repair of fistula. Although a variety of self-introduced objects in the vagina illegally used as a means of sexual gratification have been described, a vesicovaginal complication is very rare.
著者
平井 耕太郎 喜多 かおる 三賢 訓久 藤川 直也 北見 一夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.283-286, 2005-04

14歳.学校の健診で膿尿を指摘され受診した.1日15~20回程度の頻尿および1日に2~3個のパッド使用を要する尿失禁を自覚していた.排尿性尿路造影で骨盤内に6cm程度の円筒形と考えられる異物を認めた.問診では1年前にスプレー缶を自分で腟に挿入し,抜去しようとしたところキャップが腟内に残ったまま抜けてしまい,そのまま放置していたとのことであった.膀胱造影で膀胱後方への造影剤溢流を認め,膀胱腟瘻が示唆された.用手的に異物の除去を試みたが不可能であったため,全身麻酔下に腟内異物除去および経腟的膀胱腟瘻閉鎖術を施行した.腟内を膀胱鏡で観察すると腟口から約2cmのところに異物が認められ,非観血的に摘出できた.膀胱腟瘻は閉鎖術後3ヵ月で再発したため経腹的閉鎖術を施行し,以後再発はない
著者
藤川 直也
出版者
熊本大学文学部言語学研究室
雑誌
ありあけ : 熊本大学言語学論集 (ISSN:21861439)
巻号頁・発行日
no.12, pp.79-112, 2013-03

拙稿における第一の目的は、1980年代以降理論的整備をみた韻律階層理論において想定される韻律階層のうち、下位の韻律単位であるモーラ・音節・フットに特に着目し、それぞれの韻律単位が日本語東京方言においてどのような役割を担っているかを明らかにすることにある。またそれと同時に、拙稿は日本語東京方言において実際に観察される種々の音韻的事実、及び韻律階層理論における Strict Layer Hypothesis (SLH) 等を参照しつつ、それぞれの韻律単位はそもそも日本語東京方言において存在を積極的に肯定すべきであるのかについて、先行研究への批判を交えながら検証を行う。
著者
藤川 直也
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.57-70, 2007-12-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
10

Evans' theory of proper names has paradoxical consequence; some of those who can perfectly use a proper name to refer to its referent cannot properly understand statements containing that name. In this paper, I try to avoid this counter-intuitive consequence by taking into account to what Evans fails to appreciate, i.e., contributions of social character of proper names to entertaining thought about their referents - we can use a proper name as a tool for discriminating an object. I also illustrate a type of thought component, 'proper name concept', as I call it, that Evans didn't consider of. The proper name concept is objectfile that contains 'descriptions' or 'information' of referent and is connected to the referent by social convention rather than description.