- 著者
-
瀧本 義彦
佐々木 功
- 出版者
- 京都大学農学部附属演習林
- 雑誌
- 京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, pp.258-267, 1986-01-31
振動障害の防止を目的として開発されたツインチェーンソーを実際に伐採現場で使用した場合, 機械としての耐久性と振動加速度値がどのように変化するかをしらべるため, 1984年6月から10月まで岐阜県の石原林材株式会社の伐採現場で広葉樹小中径木の伐倒・玉切り・枝払い作業, スギの間伐作業, ヒノキの伐倒作業等に使用していただき, 使用前・使用後の振動加速度値および使用上の問題点や故障個所について調査した。使用前と使用後の振動加速度の変化は, 常用回転数である7000 - 9000rpmではほとんど見られなかったが, 6000rpm以下では, 前ハンドル上下方向・後ハンドル上下方向と左右方向で増加が見られた。しかし, その値は小さく他の回転数での振動加速度値を超えるものではなかった。また, この期間での使用による防振ゴムの劣化による振動加速度値の変化ははっきりしなかった。使用中に, いくつかの故障が発生したが機械として致命的なものではなく, 簡単な修理でなおった。今後, 改良型のツインチェーンソーについても同様の試験を続けて行きたい。