著者
青木 慎
雑誌
IERCU Discussion Paper
巻号頁・発行日
no.239, 2014-11

本論は,流動性のわなの下に中央銀行が名目貨幣供給成長率(ないしは,マネタリー・ベースの成長率)を政策手段とするルールを使った安定化政策に関して,小域的な動学分析を行う.本論のモデルのフレームワークは,独占的競争市場モデルであるが,それに2つの仮定を追加した.第1に,価格の硬直性ではなく,不完全労働市場の仮定をおいた.第2に,名目利子率の下限の下では,貨幣と国債の不完全な代替性が生じるものとした.名目貨幣供給成長率(ないしは,マネタリー・ベースの成長率)に関する簡易的なルール(マッカラム・ルール(McCallun(1988),マッカラム(1993).))を導入し,動学分析を行ったところ,目標インフレ率の信認の程度によるが,長期均衡点は小域的にサドル均衡点となる.リーマン・ショック後の日本と米国のそれぞれにおいて,金融政策の積極性とインフレ率の関係が強く結びついている.本論はモデルを通じて,先進諸国の中で日本経済がデフレ経済からなぜ立ち遅れたのか,名目貨幣供給成長率(ないしは,マネタリー・ベースの成長率)に関するルールの視点から考察する.

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えええー、いやだぁー(^^; 「長期均衡点は小域的にサドル均衡点となる」 ゼロ金利下における混合型のインフレ期待仮説とマッカラム・ルールのマクロ動学 https://t.co/MHGV1cFUZP

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