著者
札埜 和男
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
no.122, pp.111-123, 2013-03

国語科での法教育授業として裁判員裁判の判決文を教材に使い,市民にわかりやすい文章になっているかを,高校生の視点から書き直す作業を通じて検証した。判決文を「論理性」「表現力」「わかりやすさ(明確さ)」の点から5 段階評価し法曹三者をゲストに招き公開授業を行った。当日までに陪審員に関する評論,裁判員裁判の広報映画鑑賞,簡単な模擬裁判を実施した。国語として養う力は作文力・読解力・語彙力・言語感覚・文章力である。最も生徒の評価が分かれたのが「表現力」である。なぜならここには「品位(品格)」が項目としてあったからである。「公の文章」と「わかりやすい文章」をどう捉えるかが授業の大きな柱であった。また法律用語ではなく専門家が使う「日常語」やその特殊な使い方に, 法特有の意味やルールが付与されていることが明らかになった。ことばに焦点を当てた法教育は, 市民と専門家の間にある「溝」を埋める働きがあるといえる。

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