著者
八幡 雅彦
出版者
別府大学短期大学部
雑誌
別府大学短期大学部紀要 (ISSN:02864991)
巻号頁・発行日
no.34, pp.89-99, 2015-02

ジョージ・A・バーミンガムの演劇『ジョン・リーガン将軍』(1913)はロンドン、ニューヨークで上演された時大成功を収めた。しかし翌年、この作品の舞台とみなされているアイルランド西部の町ウェストポートで上演された時、「アイルランド人を侮辱した」と多くの観客から誤解され、暴動が起き劇は途中で中止に追い込まれ、20人以上の逮捕者が出るというアイルランド演劇史上最悪の事件となった。この作品を高く評価した作家に、後にノーベル文学賞を獲得し世界文学史上に永遠に名前をとどめているジョージ・バーナード・ショーがいる。バーミンガムもショーもアイルランドの生れであるが、もともと祖先はイギリスのプロテスタント教徒であった。『ジョン・リーガン将軍』とショーの『ジョン・ブルのもうひとつの島』(1904)はともにアイルランドとイギリスの関係を扱った演劇であり、アイルランドに対する彼らの複雑な感情と愛着が表現されている。本稿ではショーがバーミンガムに宛てた手紙とふたつの演劇の論考を通して『ジョン・リーガン将軍』の再評価を試みる。

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