著者
小澤 かおる
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-28, 2014-11

本稿では,少数者のライブラリが,コレクションの希少性,閲覧者の安全性の点で重要であること,アーカイヴが,所蔵資料の脆弱性,少数者の「自前の歴史」の構築の資源であることから重要であること,インターネットの時代に入っても少数者のおかれた状況から重要性をもつことを述べる.これらのことを考えるために,実際に長くライブラリ・アーカイヴを維持・運営してきたLOUD にインタビューを行ない,過去の経緯や現状を調査した.すると,さまざまな技術的課題は多々あるものの,「いつでもふらっと立ち寄れる場」としてライブラリ・アーカイヴを維持・運営することが,少数者コミュニティの再生産,構築にとって重要であることも新知見として得られた.以上から性的少数者を含む少数者コミュニティの内部・外部から支援を行ない,ライブラリやアーカイヴの構築,維持,管理を行なうことは,ライブラリ・アーカイヴにとってもコミュニティにとっても重要であると結論する.This paper aims to describe why sexual minorities' libraries and archives are important. They have rare materials which are easy to lose in majority's mainstream history. Minorities need places where they use such materials in safe. They are also useful to encourage minorities, to be the resources to write minorities' own histories, to save themselves when disasters occur, and so on. The interview research shows the LOUD (Lesbians of Undeniable Drive) library's state, history, and some problems to solve in the future. From over libraries and archives are important because not only they have their unique importance but also they have the function to re-product and to construct minorities' communities.

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CiNii 論文 -  性的少数者のライブラリ・アーカイヴはなぜ重要か : LOUDライブラリの場合 https://t.co/ovvmX9Eu1w #CiNii
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