著者
尾形 まり花 オガタ マリカ OGATA Marika
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.30, pp.79-91, 2015-03

ドナルド・デイヴィドソンは、人が他者の言わんとするところを理解する時、前もって持っていた知識だけでは相手の言うことを理解できないことがあると言う。言い間違いや不明瞭な発話などを理解しようとするとき、われわれが用意する発話の解釈理論をデイヴィドソンは、当座理論(passinng theory)と呼ぶ。だが、この当座理論という概念は多くの哲学者から批判されてきた。本稿は当座理論に対する批判とその批判に対するデイヴィドソンの反論はどちらもうまくいってはいないと考える。そして、当座理論とは、単に話者の話す言葉を理解するのではなく、話者と解釈者を含んだその場の出来事全体に対する解釈であると論じ、当座理論が成立する概念であることを示す。本研究はJSPS科研費24652001 の助成を受けたものです。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

デイヴィドソン『真理・言語・歴史』翻訳者の一人でもある尾形まり花氏による「墓碑銘のすてきな乱れ」の再検討。すばらしい | CiNii 論文 - 当座理論とはなにか https://t.co/W14qefRGhG

収集済み URL リスト