- 著者
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八田 達夫
Tatsuo Hatta
- 雑誌
- AGI Working Paper Series
- 巻号頁・発行日
- vol.2014, pp.1-23, 2014-10
高度成長期以降,全国の中枢都市のほとんどが人口を伸ばした。しかし鉄道時代から航空時代に転換した時点で,ジェット機対応空港を持っていなかった北九州市の人口は,例外的に縮小した。それに対して,ジェット機対応空港を持つ福岡市は,中枢都市としての自然な発展を遂げた。 しかし福岡空港の混雑が限度に達している。滑走路1本当たりの発着数は,すでに日本一である。10年後に発着数を約30%増大する滑走路の増設工事が予定されているが,それ以上の増設は地形的に見込めない。 ところが博多駅から(小倉駅を経由して)25分で到着できるようになる北九州空港を活用することによって,福岡市は今後も伸び続けていける。一方,北九州市はこの空港の発展によって,支店都市としての機能を回復できる。 北九州空港を発展させる第一歩は,①空港・福岡市間を直結する高速バス定期便の設置と,②空港と北九州都市高速道路とを結ぶ国道10号の無信号バイパスの建設である。