著者
三谷 憲正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.91-110, 2003-03

朝鮮王朝末期の王妃「閔妃」は韓国および日本を通じ、これまで多くの資料と作品の中で語られてきた。が、現在一般的に流布している「閔妃」の写真から喚起される<像>をもってしてそれらの資料と作品を読んでいいのだろうか、という疑問がつきまとう。なぜなら、従来「閔妃」の写真、と言われて来たものは、実は別人のものである可能性が高いからである。これまで流布してきた「閔妃の写真」と言われるものは、もともと、「宮中の女官」あるいはそれに準ずる女性を撮ったものだったのではないか、と推測できる。実際不思議なことではあるが、戦前の「閔妃」に言及している日本語文献の資料は「閔妃」の写真は出て来ない。したがって、戦前までの文学作品を含む文献に登場してくる「閔妃」に関しては、現在流布している"閔妃の写真"をもとに<現在の視点>からそのイメージを喚起することはできない、ということが言えるのではなかろうか。

言及状況

外部データベース (DOI)

Wikipedia (1 pages, 1 posts, 1 contributors)

編集者: 14.133.104.82
2022-03-09 23:43:28 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

収集済み URL リスト