- 著者
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桐野 匡史
出井 涼介
松本 啓子
- 出版者
- 岡山県立大学保健福祉学部
- 雑誌
- 岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, pp.65-73, 2015
本研究は、家族介護者支援に向けた基礎資料を得ることをねらいに、在宅で高齢者を介護する家族のソーシャル・ネットワークを類型化し、その特徴について明らかにすることを目的とした。A 県内の居宅介護支援事業所(53 事業所)を利用する家族介護者287 名に対し、無記名自記式の調査を実施した。調査内容は、家族介護者および要介護者等の基本属性等およびソーシャル・ネットワークで構成した。クラスター分析の結果、家族介護者のソーシャル・ネットワークのタイプは「平均型」、「孤立型」、「充足型」の3 つに類型化された。とりわけ、「孤立型」は「充足型」と比較して、男性介護者の占める比率が高く、社会参加活動が低く、現在の暮らし向きが不良であった。今後は、社会的に孤立しやすい家族介護者への支援の拡充が求められる。