著者
松岡 秀明 マツオカ ヒデアキ Matsuoka Hideaki
出版者
コミュニケーションデザイン・センター
雑誌
Communication-design (ISSN:18818234)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.67-82, 2016-03

内田守(1900 ~ 1982)は、1924年から1936年まで熊本のハンセン病診療施設である九州療養所に勤務した医師である。歌人でもある内田は、患者たちに短歌を詠むことを奨励し自ら指導にあたった。本稿は、ハンセン病患者に短歌の指導者としての内田、彼等の短歌を世に出した編集者としての内田、明石海人の歌集や小川正子の『小島の春』の出版に尽力したプロデューサーとしての内田、そしてハンセン病の歌人についての著書を出版した著述家としての内田に注目し、彼が九州療養所においてハンセン病患者の短歌にかかわった過程を追う。そして、その熱情は患者を精神的に解放しようとする内田のパターナリスティックな願望に裏打ちされていることを明らかにする。Uchida Mamoru (1900~1982) is an M.D., who worked for Kyūsyū Ryōyōsho, a leprosarium in Kumamoto prefecture, from 1924 to 1936. Uchida, also as being Tanka author, urged inpatients to make Tanka enthusiastically. Focusing on his achievement as an editor and producer of leprosy tanka, this paper explores his enthusiasm for stablishing this new genre was his paternalistic eagerness to save leprosy patients psychologically.

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