著者
小野 直子
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.64, pp.137-152, 2016

本稿では,移民の医学検査の中でも特に精神医学に焦点を当て,革新主義期アメリカにおいて精神医学が精神疾患者(the insane, lunatic)の境界線だけでなく,国民の境界線を引くのに果たした役割を明らかにすることにより,身体・精神の管理と福祉制度の関係について考察する。ダウビギンの研究は,移民制限についての精神科医の発言や活動に主要な焦点が当てられているが,本稿では精神科医が移民制限を主張した社会的・経済的・医学的背景を明らかにすることを目的とする。そのために第一に,アメリカにおける精神疾患者に対する処遇の変遷,及び精神疾患に対処する「専門家」としての精神科医が台頭する過程を明らかにする。第二に,アメリカの移民政策において精神疾患が排除の対処となった背景と,精神科医の移民政策への対応を検討する。

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