- 著者
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髙橋 尚也
伊藤 綾花
- 出版者
- 立正大学心理学研究所
- 雑誌
- 立正大学心理学研究所紀要 The journal of the Institute of Psycology, Rissho University (ISSN:24322059)
- 巻号頁・発行日
- no.14, pp.39-50, 2016
大学生が利用している主要なSNS であるTwitter とLINE を利用する際の行動の構造を分析することと、それらの行動と性格特性やインターネット利用時の意識との関連を分析することを目的として、青年101名に質問紙調査が実施された。その結果、SNS 利用行動として「一般的積極利用」「自己アピール」「敏感即応」「スルースキル」「表現法配慮」の5 因子が抽出された。また、これらの行動尺度に基づき、クラスタ分析を実施した結果、3 類型が抽出された。「ヘビーコミット群」は、依存的関与・没入的関与・非日常的関与が高く、インターネットと現実とのバランスが取れておらず、情緒不安定性が高かった。「関係配慮群」は、Twitter とLINE の両方で、スルースキルと表現法配慮が高かった。「義理登録群」は他のクラスタよりほとんどの行動指標で低い値を示した。これらの知見から、SNS 利用における青年の対人関係特性が議論された。