- 著者
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崔 宗煥
ジョンホァン チェ
JONG-HWAN CHOI
- 出版者
- 西南学院大学学術研究所
- 雑誌
- 西南学院大学経済学論集 (ISSN:02863294)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.1, pp.21-47, 2016-09
近年,韓国経済は,中国経済の成長鈍化に伴う世界的な不況が懸念されている中で,その経済成長率の下落が危惧されている。いわゆる「チャイナ・ショック」による世界的な不況の兆しが,韓国経済のあらゆる部門において露呈し,その影響は拡大しつつある。第2次大戦後の日本経済の高度経済成長を追いかけるように,「ハンガン(漢江)の奇跡」ともいわれた高度経済成長を成し遂げてきた韓国経済の成長は,近年,その成長の勢いを失いつつあるのではないかという状況が続いている。本稿では,近年における韓国経済の成長率鈍化とそのパターンの変化に注目して,戦後から最近に至るための成長を振り返ることによって,成長パターンの変化がいつからであったのか,そして,その変化の背景にはどのような要因があるのかについて,主としてマクロ的な視点,つまり国民所得統計データから探ってみることを目的とする。