著者
北野 良夫
出版者
日本豚病研究会
雑誌
日本豚病研究会報 (ISSN:09143017)
巻号頁・発行日
no.64, pp.1-8, 2014-08

我が国においては、1996年から「豚コレラ清浄化5カ年計画」が本格的に開始された。この計画は、まず豚コレラGP生ワクチンの徹底接種することにより群免疫を高めて、野外ウイルスを排除することから始められ、その後にいのししを含めた豚の抗体検査により感染の有無などの実態調査を行いながら、徐々にワクチン接種を中止していくものである。2000年にはワクチン使用が原則中止され、一部都道府県知事の許可に基づき使用されていた同ワクチンの接種も徐々に中止され、2006年4月には全面中止となり、最終的にOIE規約に基づき2007年4月に「豚コレラ清浄国」となった。豚コレラ清浄国へ向けたこのような動きの中で、2004年、我が国屈指の養豚県である鹿児島県において5事例の豚コレラ疑似患畜が確認された。この発生に伴う一連の防疫活動においては、緊急ワクチン接種の強い要請があった中、西欧諸国と同様に、ワクチン接種を行わず、感染豚の摘発と淘汰及び飼養衛生管理基準の遵守により防圧された我が国初のケースとなった。

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