著者
玉腰 和典
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 = THE JOURNAL OF CHILD DEVELOPMENT (ISSN:18840140)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.31-46, 2017-01-31

本研究は, 学校体育研究同志会の生活体育時代におけるバレーボール教材研究の特徴を明らかにしていくことを目的とした. 学校体育研究同志会における生活体育時代のバレーボール教材研究史は前期と後期に区分でき, 前期においては瀬畑実践に代表されるように, 「グループ学習と校内競技大会の計画・運営」(9 人制バレーボール) が実践課題となっていた. その後, 実践を通してつきあたった「運動疎外の克服」が課題とされるとともに, 運動文化の本質を見失わず子どもの喜びを高める「中間項」教材の追求がなされていく. そして後期においては生活単元方式が後退する一方で, 吉崎実践に代表されるように「運動文化の疎外要因を解消するルールづくりをふまえた, パス・ラリーゲームから始めるグループ学習とクラスマッチの計画・運営」(6 人制バレーボール) が実践課題となっていることが明らかとなった. また吉崎実践と同時期に中村が高校生との対話を通して9 人制バレーボールにひそむ疎外要因について追求しており, そこで得られた知見はのちのバレーボール教材の研究につながる重要な契機となっていると考えられる.

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