- 著者
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滝沢 優子
Yuko Takizawa
- 出版者
- 同志社大学国文学会
- 雑誌
- 同志社国文学 (ISSN:03898717)
- 巻号頁・発行日
- no.83, pp.15-25, 2015-12
小野宮実資の日記『小右記』の内容が、これを編集した養子の資平の意図による影響を受けていることを指摘する。「記録」「資(史)料」として扱われてきた漢文日記であるが、編集者の介在により『小右記』は、家の継承の過程を語る「物語」の性格を備えることとなった。有職故実書には不要な記述が、「物語」としての『小右記』の中で果たす役割を考察する。