- 著者
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林 博史
- 出版者
- 関東学院大学経済学部教養学会
- 雑誌
- 自然・人間・社会 (ISSN:0918807X)
- 巻号頁・発行日
- no.48, pp.69-95, 2010-01
マニラ戦はフィリピンにおける日本軍のイメージを決定づける重要な事件である。しかし日本では戦闘経過についての研究はあるが、そこで日本軍が住民に対しておこなったことの研究はほとんどない。資料が散逸していることが大きな理由として挙げられる。そこで米軍に押収され英訳された資料や日本に残っている資料を丁寧に拾い出し、日本軍の住民観や住民対策を明らかにしようとしたのが本稿である。これによって日本軍の行為が偶発的なものではなく、組織的意図的なものであることが明確になり、マニラだけでなくフィリピン各地の日本軍に共通して見られることも明らかにした。