- 著者
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橋本 和孝
- 出版者
- 関東学院大学[文学部]人文学会
- 雑誌
- 関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
- 巻号頁・発行日
- no.125, pp.139-157, 2012
これまでベトナムに関する社会学的研究は、わが国にはほとんど紹介されてこなかった。社会階層ついても紹介されていない。論文の課題は、次の二点である。まず第1に、ベトナムにおける社会階層研究の一端を概観することであり、第2は既存統計を用いていかに社会階層を再構成できるかという点にある。第1の課題では、ホアン・バ・ティン「社会構造」(ファム・タト・ゾン=レ・ゴク・フン編『社会学 新版』2008年)とチン・ズイ・ルオン=ブイ・テ・クオン「社会階層と社会正義」(『ベトナムにおける社会発展-2000年における社会学の概観-』)を取り上げ、社会階層研究の一端を紹介する。第2の課題では、2009年版「労働力調査」結果を用いて、わが国ではかなりの伝統がある階級構成表を作成し、分析を行うことである。その結果、概ねわが国の1950年段階に当てはまるものの、サラリーマン比率から見れば、1975-1985年段階に当てはまると言える。