著者
杉浦 滋子
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 = Language & Civilization (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-20, 2017-03-31

本稿では自由発話のデータベースである『全国方言データベース 日本のふるさとことば集成』を講演、職場での会話と比較して、「エ(ー)」「エ(ー)ト」の比率が低く、「マ」の比率が高いことから、これらが自由発話という談話タイプの特徴だとした。さらに、フィラーにどのような方言的差異が見られたか述べた。また、フィラーには語彙形式由来のものがあるが、一部方言には共通語に見られない「見よ」という意味の語彙形式がフィラーとなっていること、一部方言で「ほら」にあたる形式と二人称代名詞が音韻的な独立性を失って助詞化していることを指摘し、後者はまずフィラーとなってから助詞化したと主張した。

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