著者
若松 昭子
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学論叢 (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.173-188, 2014

本研究では,ボーモン夫人の「美女と野獣」に描かれた読書の姿を通して,18世紀フランスの読書観の輪郭を探った。その結果,以下の事柄が明らかになった。ボーモン夫人は子どもたちに向けて創った教訓的物語のなかに,単純だが強力な読書啓発のメッセージを込めた。「美女と野獣」はその代表例であった。一方,彼女は書物を自分の体面保持に利用する人々や,有害な読書習慣が身に付いた小説読者を風刺的に描いた。それらの表現の中に,読書の理想形を子どもたちに示そうとしたボーモン夫人の意図を読み取ることができた。それは,新しい教育を模索する同時代の人々の読書観を代弁し牽引したものと思われる。

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『美女と野獣』の原作はディズニー版とは全然違って、読書が知的で善良な子どもを育むという訓話の性格が強いのですね。こういうの面白い http://t.co/GURAWbyuYH http://t.co/41t5A02nN4

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